2017年02月28日

白薔薇吐息

口臭を指摘してくれる人がなかなかいないと書きました。家族でも、正直に言ってくれるとは限らないし。正直に言われたらへこみそうだし。

ふと思い立って、空気清浄機のセンサーに、はぁ〜っと息を吹きかけたら、とたんレベルが一段上がり、風速が強まりました。ショック。

タマネギ食べたばかりだからねと慰め、ていねいに歯磨きをして、もう一度ハーしたら、やっぱりレベルが・・・。もっとショック。
きっとミントの香りに反応したんだ。って、おい、往生際悪いぞ。
何度か試したら、はぁ〜だとやばいが、ふーっは無視されるみたい。

『百物語』(杉浦日向子)の中に、あまりぱっとしない侍が、うたたねの最中天女にキスされた話があります。以来常に口中から芳香が漂い、生涯続いたとか。
そういう話が生まれた背景には、口臭に悩まされる人がたくさんいたのだと思われます。
現代ほど歯磨きの習慣がなかったようだし。

とはいえ、口臭の原因は口内だけに限らず、胃や鼻の不調や疾患もかかわるので、歯磨きだけでは防げないケースも。
全身の健康に気を配ることが大切なのですね。

たとえ健康でも、生理的口臭は誰にでもあるといわれます。気にしすぎると、ストレスたまってますます口臭がきつくなるよ。って、やっぱ往生際が悪い。

ところでわが家の空気清浄機、空気の汚れの程度を示すモニターの表示は、緑・黄・赤の3段階ありまして、赤になることはめったにありません。
設置場所はテーブルの中央から80センチほどの距離、台所からは4メートルくらい離れています。

食事を始めると、たいてい黄色になります。くさいものを食べてるつもりはないのに。
台所のオーブンで塩サバを焼くと、換気扇を回していても真っ赤に。先日、白菜漬を切っていたら赤になりました。うーむ、たくあんよりも香りは薄いと思うけど。

テーブルで合成ゴム系ボンドや除光液を使っていたら赤になったこともあります。
生乾きのコロスキンや、蓋を取ったラベンダーオイルのボトルを近づけても赤。揮発性のものはかなり強力みたいです。
むいたデコポンの皮にも黄色く反応。丸ごとだとなんともないけど、柑橘類をむくと皮の外側から油系の香り成分が飛び出すのです。手がべたつくのはそのせい。

デコポンとラベンダー

悪趣味ながら、脱いだソックスを近づけても無反応。ううう、私の口は足よりくさいのか。
汗をふいたハンカチなどは感知しません。

匂いの良し悪しではなく、強さが問題なんでしょうね。

もしも私のもとに天使か何かが降りてきて、口から薔薇の香りが漂うようにしてくれたとしても、やっぱり空気清浄機は反応するはず。って、しつこく往生際が・・・。
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投稿者:ルノ 16:45 | コメント(0) | トラバ(0) | 口内荒廃
2017年02月27日

よけいな下世話

「下世話」ってことば、小説でもエッセイでもよく見かけますし、本のタイトルにした人もいるとか。
この意味や使い方を知っている日本人って、今どき存在するのでしょうか。

日本人?

怪しい日本語研究室』(イアン・アーシー著/2001年)の中に、こういう文がありました。

「コンセプト」(下世話に言う「考え方」というやつ)


さすがガイジンさん。正しい用法です。

と、日本語を書いて生計を立てているらしいプロを、日本語歴が長いとはいえ一素人である私がほめるのは失礼かも。
失礼ついでにイチャモンつけさせてもらいますと、「考え方」という複合語が「下世話」であるというのは、いささか疑問ですな。

そうそう、「考え方」って、別に下世話な言葉じゃないわ。下品でも下劣でもないし〜。とかつぶやいたアナタ、それ違います。

私の認識では、下世話というものは、もっと長い、ひとまとまりの形式を持っています。
その代表は、「いろはガルタ」です。「犬も歩けば棒に当たる」「論より証拠」「花より団子」など。
また、ことわざや格言なども下世話になり得ます。

つまり下世話は「話」の一種。形容詞ではなく名詞です。「下世話」に「な」がくっついた時点で、すでに誤用なのです。

そりゃあ昨今は、名詞や副詞、動詞のみならず、文節にまで「な」をつけて形容詞化してしまう傾向があります。たいていは冗談っぽい使い方とわかっているようです。私もしょっちゅうやってます。
わざとそうするのと、知らずにするのとでは大違いでしょ。

この「イチャモン」カテゴリでは、世に広まる乱れ日本語を糾弾するのではなく、なぜそうなったのかを私なりに推理するのが趣旨です。
誤用の理由として多いのは、「なんとなく字面から判断」「ほかに適切な言葉がない」「過去の文例にどっちとも受け取れるあいまいさがある」「そのほうがわかりやすい」などでしょうか。
「ら抜き」の背景には、可能専用(受け身との混同防止)という、わりと納得のいく理由があります。もっとも、「れる」「られる」には、ほかに尊敬、自発の意味だってあるんですけどね。「自発」がどういう感情なのか、理解できない若者は多いようです。

で、下世話がこうなっちゃったのは、おそらくここ2、30年のこと。
理由は「なんとなく字面から」「適切な言葉がない」が大きいみたいです。下品、下劣、低俗などは、相手の気分を損ねかねない、下世話ならぼかしたイメージだしぃ・・・ってことで、辞書も引かずに書いているうちにすっかり市民権を得てしまった。

もはや下世話という形容詞が新語として定着していると思われる状況なので、今さら私がわが家の古い辞書を振りかざして、ホントはこうこうなのよと説いたところで、「よけいなお世話」と一蹴されそう。

しかしながら、誤用がのさばる現状って、一部の人々には、やりにくさがあるのです。

文化庁国語課の勘違いしやすい日本語』によれば、過半数が勘違いしている言葉や言い回しに「姑息」「檄を飛ばす」「役不足」「割愛」「破天荒」「確信犯」「失笑」「憮然」などがあります。

これらを「正しく」使うと、誤解されたり、正反対の意味に取られたり、日本語に疎いと嘲笑されたりしかねない。良くても、言いたいことが正確に伝わらないおそれがあります。だからそういう言葉は使うこと自体極力避けなければ。つまり、言葉を知っているゆえに語彙が不足してしまうという事態になるのです。
そこまで迎合せずとも・・・とは思いますが、言葉を使うのはコミュニケーションのためですからね。

などと書くと、いかにも私が日本語の知識が豊富だと自慢しているように見えますね。
実のところ自信はあんまりない。このブログでもおかしな語法がたんまりありそう。一時的な勘違いや単なる変換ミスであれば、読み返せば気づくでしょうが、無知や思い違いによる記載ミスは、何度読んでも、絶対に気づきません。国語力堪能な人が見ればきっと失笑モノでしょう。(そういえば別のブログで「敷居が高い」を誤用したのを何年も放置しています。)

そのための保険(?)として、怪しげな言い回しを混ぜ込んだりするのです。前述の安易な形容詞化をはじめとして、名詞化(転んでもただ起きとか)、動詞化(勘違う?)、進行形?(突っ走りング)とか。
したらば、ほんとうに間違っている箇所でも、わざとしてるんだろうなと思ってくれるんじゃないかと・・・ちょっと甘いか。
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投稿者:ルノ 17:18 | コメント(0) | トラバ(0) | イチャモン日本語