言葉が与えるイメージは恐ろしいですねえ。口の中にうんこが入ってるわけじゃないのに、そういう錯覚を起こさせるんですから。
細菌に「数」ではなく「量」を用いたことも、非可算名詞のうんことごっちゃにさせる効果がありましょうか。数えにくいものだから「量」のほうが適当ともいえますが。
おーっと、本日はイチャモン日本語ではなく、口臭の話です。
ちゃんと歯を磨いて寝ても、睡眠中は殺菌効果のある唾液が分泌されないので、お口の中は細菌の無法地帯。爆発的に増えて朝方にはうんこ10gに含まれる細菌数と同じくらいになっちゃいます。
起き抜けには誰でもかなりの口臭があるのです。
それら多量の細菌がどうなるかといいますと、歯を磨けば洗い流され、朝ごはんを食べれば胃に追いやられ、何もしなくても唾液とともに飲み込まれて胃酸で殺されるので、健康上の影響はないと思われます。唾液が少ないドライマウスの人はやや危ないのですが。
ちょっと不思議なのは、胃酸はそれほど強力なのに、消化物が直腸にたどり着いたらまた菌だらけになってるってこと。腸内はもともと大腸菌や乳酸菌など多民族のすみかでありますから致し方ないのでしょう。
それに胃酸くらいへっちゃらだいってつわものもたくさんおりますからねえ。
それで思い出したのが、いつぞやの病原性大腸菌O157の大流行。
あの時ぎょっとしたのが家庭内感染というもの。子どもが学校から持ち込んだのを親がもらうという構図。体内におけるO157の出口はおおむね1箇所で、入り口もまあ1箇所。菌が宙を飛ぶわけではあるまいし、いつどうやって親子のその2箇所が遭遇するんだ? 排泄を促すために母猫は子猫のお尻をなめてやるそうだけど、人間の親は子どもが便秘になっても気づきゃしません。
実は洗濯やお風呂などが感染経路となるらしいのです。洗って清潔にしたつもりで菌を広げていたとは皮肉なことです。共同生活は菌のやり取りの場なのですねえ。
現代人は神経質なまでに清潔というものを追い求めていますが、そのやり方には偏りがあり、知らない面では不潔に耐えているのです。耐えられるだけの抵抗力が備わっているのが現実であります。ただし、抗菌・防臭グッズばかりに金をかけ、見た目がきれいになれば満足するといったアンバランスな清潔志向は、かえって免疫力を弱め、アトピーやアレルギーを招いたり、O157や耐性菌に付け入られてしまうってことです。
おーっと、また脱線。今日は口臭の話ですっ。
先だって、韓国人に道を尋ねられました。説明するため、その人が持っていた地図を覗き込んだら・・・うぐっ! 口臭というか、体臭というか、全身もわぁ〜ん。
これから面接に行くとのことで急いでるようでした。妙齢の女性で日本語も上手だったけど、あの匂いで大丈夫かしらんと、ついついよけいな心配。
韓国の人がみんなそうではないでしょうが、なんたってキムチの国だからなあ・・・。
こりゃ他人事じゃないぞ。私も毎日ニンニク油を飲んでいるんだった。どうにかしなきゃ。
そんなわけで、くだんの『キレイな息のつくり方(本田俊一/明日香出版社/2005年)』という本を手に取りました。
衝撃の『うんこ10グラム』論を初めとして、意表をつくブレスコントロール・テクニックが満載です。
平行して読んだのが『お口のさわやかエチケット―口臭予防マニュアルブック
こちらはわりあい常識的でオーソドックスな口臭予防マニュアルブック。
最重要事項は口腔内の病気(虫歯や歯周病)を治し、歯石を除去して清潔に保つこと。むろんどちらの本もそれは共通事項です。
欧米人が口臭予防に敏感なのにアジア人は無頓着であるとか、食後の口内はほぼ無菌状態になるなどの新たな知識も共通項目です。
しかし、片や食後の歯みがきは不要、舌を磨くと傷がつくからダメ云々に対し、片や歯磨き剤をたっぷり使ってていねいに磨け、舌も優しく磨こうなど、正反対の説も多くて、迷ってしまいます。とりあえず自己責任ってことですか。やっぱりせっせと磨きたくなりそう・・・。
結果的に口臭が消えて爽やかになればOKなのですが、口臭があるか否か、どの程度のものなのか、自分でわからないのは困りものです。