晩秋。ああ初老。初老とは40歳の別称(異称)です。
別称であるからには、漠然と「40歳くらい」を形容するのではなく、厳密に「40歳」という数詞の言い換え語でした。「20歳」を廿(はたち)と呼ぶのと同様です。
40歳(数え年で?)を迎えた日から初老であり、41歳になれば初老から離れるということです。
むろん言葉の意味が変遷していくのは世の常。
寿命80有余年の昨今、40歳で「老」とは実状から甚だしく逸している。という共通認識のもと、初老年齢は伸びる一方です。
30年くらい前の国語辞典には『現在では50歳前後を指す』とあります。
十数年前の辞書では『老年期に入るころ』と曖昧な記述。
21世紀の今、50歳の人を初老呼ばわりした日にゃ、口も利いてもらえないでしょう。
最近の小説などから窺うに、60歳を過ぎたあたりが初老と見なされているようです。
昔は平均寿命が短かっただけでなく、栄養状態も悪くて老けるのが早く、40歳まで生き延びれば老人の仲間入りをする準備が必要でした。
現代の人類は(特に先進国では)いつまでも若々しくて長生きするものの、精神年齢の発達までもが抑制されているようです。
40歳は「不惑」という呼称も持ちますが、40過ぎての引きこもりやすねかじりも珍しくなく、無事就職・結婚しても虐待やセクハラに走り、出世して名を上げたかと思えば軽薄な言動が元で失脚したり逮捕されたり、惑いっぱなしが現実です。
「人生50年」時代に戻ってみると、案外充実した一生を送る人が増えるかもしれません。
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