2016年06月29日

箱入り猫

「猫は不器用」なんて書いておりますが、実家にいたセイコは、わりと器用でした。

太刀魚の煮つけを作り、残った一切れを入れた鍋をコンロの上に置いて買い物に出かけたら、こっそり鍋のふたを押しのけ、骨まで平らげてしまいました。ふたを元に戻していれば、完全犯罪だったのにね。

セイコの特技はドア開け。引き戸はもちろん、蝶番のドアがきっちり閉まっていなければ、頭で押したり、すきまに爪をひっかけて引いたり。
むろん猫のことゆえ「あとぜき」はしません。教えればできるようになったのでしょうか。

猫が戸を開けるのは、人がそれを黙認したり、「まー、セイコちゃん、上手ねえ」などとおだてたりするからです。
だからセイコは勝手に出ていって、子種を仕入れてしまった・・・。

母子猫
発泡スチロールの箱でくつろぐセイコと仔猫たち。

知り合いの女性が猫を育てたときの話です。
彼女は古い田舎家に住んでいました。屋内の建具はほとんどが引き戸です。

彼女の猫はオス(ニューター)で、うっかり外に出しても、子種をもらったりばらまいたりするおそれはなかったのですが、なにぶん高価な純血猫なので、さらわれたり、野良猫に襲われて美貌を損ねたり、病気をもらったりしたらたいへん。

とりあえず彼女の方針は、猫に戸を開けさせないことでした。
それには最初が肝心。自分で戸を開けることができるという観念を植え付けてはならないのです。部屋に一匹で残すときは、外側からつっかい棒をかけ、部屋から出すときは、必ず人間が戸を開けてやるか、抱いて出るというふうに。

甘やかされて箱入り息子よろしく育てられたその猫は、ほとんど部屋から出ず、歩くときはお腹が床につくほどのデブ猫になってしまいました。おっとりとした性格のよい猫で、生まれて一度も自力で戸を開けることなく成長しました。もはやつっかい棒は不要。

とはいえ、やっぱり外へのあこがれは積もっていたのでしょう。
ある日のこと。忽然と彼は部屋を飛び出したのです。扉は閉ざされたまま。

その戸は障子でした。少しばかりモダンなタイプで、下のほうは板、その上にガラスがはまっていて、障子部分のマス目はかなり大きいのです。
その障子紙を突き破ったのでした。

障子猫
こんなイメージ。

それにしても・・・板やガラスなら無理だけど、あの紙なら破くことができそうだという判断力をいつの間に身につけたのか、はたまた、歩くのにも難儀する肥満ボディで、よくまああの高さまでジャンプできたもんだ。と、飼い主には二重の誤算でした。
猫の知力と体力を侮ってはなりませんぞ。

もっとも、障子の外のガラス戸を突破することはできず、廊下をうろうろするだけに終わったのですが。
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投稿者:ルノ 12:58 | コメント(0) | トラバ(0) | るれろライフ
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