2009年07月31日

島の陥穽

紙の辞書がオンラインに比べておもしろい点は、近隣の無関係な項目まで目に入ってしまうことです。そこから思わぬ方向へ興味が広がったり、どうでもいいような知識を得たりすることがあります。さらにはどうでもいいようなブログのネタとなるのです。

ソファに座って英和辞典を見ていたとき、ふと「島嶼性の鳥」という文に目が留まりました。島嶼(とうしょ)ってなんだ?
季節の渡りをせず、島に居ついて暮らしている鳥のことだろうと見当をつけたのですが、確認が取れません。

立ち上がって2歩歩けば国語辞典か漢和辞典に手が届くのですが、それが面倒だったんですよね。
ああ、このものぐさ精神が体脂肪増量と脳細胞減少の元凶だっ。

でもですねー、英和辞典で日本語を調べるのも、案外頭の体操になるんじゃないでしょうか。

島嶼は島に関係した言葉だから、アイランド付近をつぶさに見ていけば、片鱗が現れるはずと思ったのです。
だからiをめくって・・・あれ? アイランドがない。なぜだっ。
必死で探したけど、ほんと載ってないんです。ひょっとして落丁かしら、まさかそんなと、数秒間混乱してしまいました。

いやー、お恥ずかしい。
私が開いていたのは、il...のあたりでした。なんかおツムがillっぽい。

今そこで嘲笑ったあなた、こーゆーのは平均的日本人がよく陥る誤りに過ぎませんよ。きっとあなただって似たようなことを・・・。
islandという単語を見ればアイランドとちゃんと読める人でも、いきなり書こうとすると、ilandといった並びが頭に浮かぶものじゃありません?

無音の子音がやたら多いフランス語などと違って、英語は比較的発音通りにつづります。nightのghやwalkのlみたいに慣れっこになったものに比べたら、islandは例外的ですから、bomberをボンバーと読む日本人ならアイスランドと読んじゃっても不思議はないかも。

おお、それで島嶼はどうなったんだ。

実はislandはもとilandだったそうで、isle(小島という意味でアイルと発音)からの連想でいつの間にかsが挿入されたのだとか。isleはどこから来たかというと、insulaという古いフランス語。
そういえば私たちの体内にも島があります。膵臓のランゲルハンス島。そこで作られるインシュリンはinsulaが語源だったのですね。ふむふむ、島育ちのインシュリンちゃん。

その関係で、islandの形容詞形はinsularなのです。こんなにかけ離れていると探しにくくて困ります。
insularの近くにあるinsularityという単語に、やっと「島であること」「島嶼性」という和訳が出てきました。なお、insularityには島国根性、偏狭などの意味もあります。

でも英和辞典では結局ここまででした。

あきらめて、日本語辞書で仕上げ。
「島嶼」の「島」は大きな島、「嶼」は小さな島という意味で、島嶼は大小の島々、ひいては単に島々ってことだそうです。
山+与=小さな島って、どういうわけなんでしょうね。
投稿者:ルノ 23:43 | コメント(0) | トラバ(0) | 辞書と戯れる
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