この続きは『終わりは脱兎の如し』・・・じゃなかったんです。
始めは処女の如く後は脱兎の如し(始如処女後如脱兎)であります。後(のち)が正しいんですねえ。
初めは生娘のように弱々しく振舞って敵を欺き、その後は逃げるウサギのように素早く行動して功を立てる計略、だそうな。処女が弱いものかどうかはこの際おいとくとしまして。
私も『終わり』だと思っていました。普通そう言いますでしょ。日本語で始めと終わりは対の言葉だし。『終わり』としている辞書もあるし。
そもそも『後』でも『終わり』でもたいした違いはなさそうですよね。
そうでしょうか。
原典は孫子。つまりこれは兵法の心得です。
うぶな小娘のふりをしてスケベおじさんにいっぱいご馳走してもらい、そろそろホテルにでもというムードになった途端、ばっくれて逃げ出すギャルの手管を説いたものではなかったんですよ。
いくら敵を欺いて油断させても、最後に脱兎のごとく逃げたのでは敗者の遁走に終わります。うさぎはか弱い動物だから、脱兎とはたとえがふさわしくないようにも思えます。弱い者が強い者に勝つ方法のつもりだった?
そりゃ追い詰められた兎が狼を噛むことだってありましょうが、『脱兎の如く』とは戦闘スピードのみを指しているのでしょう。力はまあ普通以上でなければ、やっぱり負けちゃいます。
とはいえ、首尾よく油断させれば最後に集中攻撃するだけで勝てるのでしょうか。
戦争はそんなにちょろくない。
『後』とはそういうことです。途中から脱兎になる必要があるのです。中盤以降はずっと脱兎の戦いが要求されます。慌てふためいた敵を蹴散らし追撃し、徹底的に攻め滅ぼさねばならぬ。
かくして『終わりは脱兎の如し』ではおぼつかないと納得したのですが・・・。
蛇足ながら、『始め』と『初め』の違いは、一般に前者が『事』、後者が『時』に関して使うと辞書にはあります。
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5言の対句になっているので、『始』『後』ですね。終わりの対は、『初』『終』。 PCで横書きになっちゃうと、切れ目や行変へが分からなくなっちゃいますね。
ところで、処女は『おとめ』と読みますか、『しょじょ』と読みますか? 私は『おとめ』なのですが。漢字だと乙女で乙姫の『乙』ですが、末娘の事だそうです。 脱線。
辞書によれば乙女は後世の当て字だとか。末娘とは知りませんでした。私は概して漢語調の硬い読み方が好きです。