2010年01月22日

耳に潜むもの

ものもらいができたせいではないけど、このごろ読んだ本は『なるほど、ヒトの顔は面白い(由富章子)』・・・目、鼻、耳、口など、顔にある器官に関する考察や薀蓄を述べた、軽妙洒脱なエッセイです。

著者は熊本出身の現役眼科医で、彼の地ではものもらいのことを「お姫さん」と言うとか。お、そういえば私が子どものころ住んでいた田舎町でも「お姫さま」と呼んでいた記憶があるぞ。
北九州では「ねずみの嫁入り」なる別称もあるそうです。

呼び名がロマンティックだからって、見た目が良くなるわけではありませんが、「ものもらい」よりは人聞きがよろしいですよ。

さて本書では、当然ながら専門である眼科系の話に比重が置かれています。
まず取り上げられたのは、眼球摘出。簡単だから新人研修医がよくやらされるとか。
『視神経は太くて大きくて、箸の先くらいあるから、大きな尖刀を使って』『バチン』と切断するのだと。ひえっ。その音は摘出される患者の耳にもバチンと響くんでしょうね。

視神経は視束ともいうから、細い神経が束になっているのかと思ったら、神経線維の束ということであって、その実体は脳の一部であるらしい。歯の神経などとはレベルが違うってことか。
百科事典には『円柱状』とか『うどんのような紐』と書かれていて、うどんのほうが箸よりもリアリティを感じますが、いずれにせよ太いんですよ。

インターネットが盛んになり始めたころ、怪談めいた話が流布しましたね。かっこよく『都市伝説』などと呼ばれたりして。

そのひとつ・・・ピアスの穴から出ていた白い糸をぷちっと切ったら目が見えなくなった、実はそれ視神経だった、と。
うどんのような視神経がピアスの穴から出るには無理がありそうですが、あえて想像すると、よけい不気味です。

それで思い出しました。実は私、耳から糸が出るという恐怖の体験をしたのです。

発端はお風呂上がり。耳の中でがさごそと音がするのです。
シャンプーの最中に水が入ったかなと思って、綿棒でつついたり、頭をトントン叩いたり、飛んだり跳ねたり。
でも出てきません。
呼び水(1滴耳にたらすこと)も何度かやったけど、効果なし。

まあ、ほっといても自然に蒸発するから心配ないだろと、我慢することにしました。

しかし翌日も翌々日も、いっこうに改善の兆しが見えません。
頭を動かすたびに、かさかさ、ザザー。気持ち悪いったら。

耳垢がたまりすぎて取れなくなったという話を聞きますが、感触としては固形物ではなく、液体のように思えてなりません。
もしかして・・・耳の中に水が湧いている!?

私はかなり激しい耳鳴り持ちです(おまけに年々ひどくなっている)が、特に気にしていません。気にしないよう努力しているわけではなく、慣れてしまっているだけです。
そのかさこそ音だって、裏に厄介な病気が控えているとは考えにくく、慣れれば済むのでしょうが、気にすまいと意識すると、かえって意識がそこに集中するものです。もう気になって気になって。

起きている間中悩まされ、疲れ果ててノイローゼ気味。寝たら悪夢のネタにもなってしまいました。耳の中の何かが膨れ上がって鼻と口をふさぐという妄想で、呼吸困難に陥ったのです。

その翌日、近所の耳鼻咽喉科へ。症状を記入する用紙には「耳垢」に○をつけました。

お医者さんは私の耳の中を覗いて、
「おっ、あっ、これは・・・」
どきっ。何か変なものが?
「いやあ、これは凄い。トグロ巻いてる」
だっ、だから、なんなのよっ。

耳の中に突っ込まれたピンセットでひゅるっとつまみ出されたのは、1本の黒い糸(その場面を見たわけではないが)。

それは長さ数センチの髪の毛でした。なぜか渦巻状になって鼓膜にへばりついていたのです。
不快音は瞬時に消え去りました。

そして私は治療費1,470円を支払って病院をあとにしたのでした。

耳図
イメージとしてはこんな感じですが、自力で取れなかったのは、髪のカール具合がもっと大きく、耳道の壁にぴたっと沿っていたからのようです。粘着性綿棒ならば取れたかもしれないと、あとになって思いました。
投稿者:ルノ 16:00 | コメント(0) | トラバ(0) | 美容と健康
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