2007年05月08日

スカートに始まる

だいぶ前スカートをはく男たちという記事を書きました。内容は他愛ないものです。軽い気持ちで、キュアのかわいいスカート姿を紹介したかっただけです。
その後、世の中には女装ではなく男としてスカートを穿きたくて実践している方々が意外に多いのだと知りました。

「男性 スカート」「メンズ  スカート」などで検索してみると、そのような人々の同好会やクラブや掲示板が出てきます。同じ人が取り仕切っているのかもしれませんが、けっこう年季の入った活動をしているようです。
リンクについては「要連絡」みたいな記載も多くて、いちいち紹介しません。興味をお持ちのかたは自分の目でチェックして参加しましょう。
少なくとも女性の手によるブログよりは、実のあるアドバイスを得られるのではないでしょうか。

私個人はパンツ派です。スカートという衣料品にのめりこみ、愛着を持つ男性の気持ちはよくわかりません。
しかし、スカートを穿く男性をバカにしたりあざけったりする人々に対しては、憐れみのようなものを覚えます。男+スカート=オカマ程度の計算式しか持たないのでしょう。既成概念に凝り固まった人は自分自身の飛躍の機会も逸するものです。

今の日本や西欧諸国では、スカートを身に着けるのは女性と決まっているように見えますが、国や地域によって差があり、民族衣装や祭りのコスチュームにはスカート型の男性服もけっこうあるようです。我が国もそうです。キモノはワンピースドレスに似ています。

スカートというのは最もプリミティブな服なのです。

人間が服をまとうようになったのは、体毛の少ない変種が増えて防寒や防御の必要に迫られたからでしょうか。
それとも服を着るようになって体毛が退化したのでしょうか。
後者であれば、理由は「おしゃれ」「識別」「羞恥心」、そんなところですかね。識別というのは、身分や部族の違いを明らかにするといったところです。

識別といえば、いろんな文化を持ついろんな民族がいるにもかかわらず、いつの時代も男女の服装は区分けされてきました。
なぜなのか。
人間は視力以外のいろんな感覚機能がほかの動物に劣ります。交尾に当たって、対象が異性であることがあらかじめわかっていないと不便だからでしょうか。

だからって、女性はスカート、男性はズボンと決めつける理由にはなりえません。スカートよりもパンツを好む女性はわんさといて、なんの混乱も招いていないのです。
女装者だって上級になればパンツルックを目指すでしょう。スカートよりも難しいんだから。

単に防寒が目的なら、暖かい地域の人々に服は不要です。赤道付近の人々も何かしら身に着けていますよね。原始的なものでは腰ミノ、とか。これってスカートではありませんか。

進化論を神への冒涜だと信じている人は何百万もいるそうですが、彼らの世界において、服の起源はイチジクの葉です。楽園を追われるアダムとイブがくっつけています。
あんなん、重力の法則に反していますわよ。イチジクの葉を折ると白い樹液のようなものが出てくるからそれで接着していたのでしょうか。かぶれたりして苦労したあげく、葉っぱを何枚かつないで落ちないようにすることを覚えたに違いありません。スカートみたいに。

男性スカートに否定的なオジサンだって、お風呂上りにはタオルを腰に巻きつけたりしません? ほんとはスカート好きなんでしょ。
え、すっぽんぽんで歩き回る? 失礼しました。家族のかたはお気の毒です。

英語でシャツ(shirt)とスカート(skirt)は語源が同じです。どちらも服の基本形なのです。
スカートとは人間の体に最も親しみやすい衣料なのですよ(ゴーインに主張)。

消費回復の兆しは相変わらずほのかです。
男性ファッション史において、ピーコック革命やグループサウンズ、長髪、グラムファッションなど性差を危うくしそうな風潮は幾度もありましたが、そんなときにも男たちはズボンを穿き続けました。スカートだけは未開拓分野です。
もしもアパレル業界がメンズスカートを新たなビジネスチャンスと捉えれば、巨大な市場が生まれます。無からのスタートですからね。手持ちの何かで代用するわけにはいかず、みんな新たにスカートを買うしかないのです。

もっとも、現在スカートを愛用している男性たちは希少価値を楽しんでいるのかもしれません。みんながスカートを穿けばつまんない気分になる人もいるでしょう。

ところで、調べものがあって昔の雑誌をめくっていたら、メンズノンノ98年12月号に、スカートルックがぽろっと載っていました。
『今年ぜひトライしたいスカートの着こなしのポイントは・・・トップをかっちりと・・・タブリエ感覚で着こなす』うんぬん。

『今年トライしたい』だなんて、もう12月号じゃないか。
それに、なーにがタブリエだ。フランス語を使えば万事ファッショナブルだと思い込んでんの。
ファッション雑誌ってのは空疎な言葉が漂う、イチャモン日本語に最適の教材なのです。タブリエとはエプロンのことですが、パンクの始祖ジョニー・ロトンもそんな格好していたような。
+スカート

この事例ではスカートの下にパンツだから、着こなし上ちっとも参考になりません。
とはいえスカート初心者の男性は、このようにスカート+パンツ(もしくはスパッツ)から入門すると違和感が少ないでしょうね。最初はロングスカートで、慣れてきたら丈を短くしていって、最後はスカートだけ、というふうに。
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投稿者:ルノ 22:22 | コメント(15) | トラバ(1) | ジェンダー
この記事へのコメント
人間は、あるいは社会人は何でも好きな服装をしても良いものでしょうか? 大抵は躁で誰がどう見ようが、自分さえ良ければのクチなのですが、時たま立ち止まって見ると、やっぱり自分は変!と思い世間丸ごと憂世です。
皆さん、少女、乙女のミニスカートは許せるとして、オバサン、オバアサンのミニスカートも許容できますか? どーも自分が見ても、同年代の女性がそんな格好で徘徊していたら、変と思う格好で歩き回っているような気がしだしたら、もうアウトです。
スカートは単なる服なのに、他者の視線を意識しないではいられません。 パンティは服というより、よりフェティッシュで罪深い、少なくとも社会の規範からのズレは大きいのに、包み隠されているので、他者を意識する必要が無い。 男性に限らず、他者を不快にさせないで、自分も満足できる服装を選択するのは難しいですね。
traviataさん  2007年05月09日 01:51
私の考えを述べますと、服装くらい好き勝手にすればいい、他人がとやかく言うものではない、ヘンな格好よりももっと直接に人迷惑な行為が公共の場所に蔓延しているのでそっちのほうをなんとかせえ、です。
とはいえ自分の姿は自分よりも他人が見ることのほうが多いので、人目を全く気にしない装いも、万人に満足のいく装いも、極端に過ぎて困難です。多くの人は適当に折り合いをつけているのだと思います。
オバサン、オバアサンのミニスカートを許容できないというのは、いささか厳しいように思います。
オバサンだと気づかない綺麗な脚ならOKなのでしょ。突き詰めれば醜い人間は出歩くな、ということにもつながりかねません。
そういえば昔、首相夫人が外遊にミニスカートをはいて出かけたことが話題になりました。マスコミはおおむね好意的だったような・・・?
流行とはそんなものです。数の力といいますか、みんなで渡れば怖くない。
見かけがすべて、みたいな傾向は現代においてかなり強くなっています。殺された女子大生はみんな「美人」だったりします。
奇矯と美を両立させるには、よほど恵まれた容姿が必要でしょう。
ルノさん  2007年05月09日 10:29
何となんと!1番のりを逃したか!!昨日は結構遅くまで起きていましたがノーマークでしたねぇ〜(汗)。ルノさん、頑張って書き書きしましたね!ふむふむ、なかなかよい内容ですぞ!!しかし今度からどちらに行けばよいやら?

>軽い気持ちで、キュアのかわいいスカート姿を紹介したかっただけです。
う〜ん、そんな感じですね!それなのに誰だ?いっぱい書き込みしてる奴は?あっ!?

>興味をお持ちのかたは自分の目でチェックして参加しましょう。
チェックはしましたが自分が「これだ!」と思う感じではなくて…(イメージ的に)。

おぉ、早速コメントが…3番のりかぁ(笑)
そうですね、外見は大事。仕事や冠婚葬祭などでは…。本当のプライベートでは好きな自由な服装を楽しみたいものです。「中身で勝負」外見だけで判断する(されてしまう)のは何となく嫌ですね。人間そのもので判断したいです。周りがどう考え思っていようが自分はそうです。

ファッションに年齢は関係無いと思います。その人がいかに内面から光り輝くものを持っているか?が大切。堂々としていれば「おぉ!」です。

こんな左巻きの頭脳を持っているので、ウロウロとスカートで外出できるのかもしれません。

他人のファッションをとやかく言うセンスまで持ち合わせていませんので、あくまでも私個人の考えという事で…

shibaさん  2007年05月09日 23:05
> 自分が「これだ!」と思う感じではなくて…
それはもう、チェック済みだろうと想像していましたが、向き不向きがあるのですね。
同行者が集まって旅行というのも楽しそうではありますが、個々の美意識のもとにひっそりと孤高の活動を続けるのもクールに思えます。
『内面から光り輝くもの』を発する方法については自信がありませんが・・・。
ルノさん  2007年05月10日 21:15
金魚を丸呑みする芸がありましたが、電球を丸呑みすると、腹の辺りが光るかも?! うーむ、あとは、蛍の遺伝子を導入して、光るのもどうでしょうか。
内面は簡単には変わらないし、その表現も困難です。 世間に通用するのは外面でだからこそ役者がもてはやされます。 着飾ること、異性装なども、日頃自身に張られているラベルを取り外して別の自分に変わる事が重要だと思います。 仮面をかぶって演劇をするように、ファッションによって別の自分に変身すると、気持ちや人間性まで変わります。 どーせ内面を磨くなら、元の自分を磨くより、変身した自分を磨くほうが簡単で効果的かとも思います。
traviataさん  2007年05月10日 21:49
そういえば、また女装痴漢が現れたとか。ミニスカートの下に「スラックス」をはいていたそうです。
凡人には光り輝く内面もどす黒い欲望も見分けがつかないものだから、人目を気にする限り茨の道は続きますね。
ルノさん  2007年05月18日 23:12
クールビズでミニスカートで閣議やらないかなぁ。 黒い欲望を持った政治家のおじさんたちの。 警察官の制服もミニスカートにすると、オイコラ!って体質はなくなって市民に親しまれる警察に成れるかも。 女装痴漢を脛毛巡査が追いかけるなんて吹き出しそうな想像です。
traviataさん  2007年05月19日 00:32
私はどっちか言うとスカートより髪型に憧れて女装したいです。まず、ウェーブのかかった髪があって、次にパンツ姿がある。女の子みたいな可愛い顔になれるなら、スカートでもズボンでもなんでもいいです。
エビファンさん  2007年07月16日 10:30
エビファンさんは純粋に可愛いファッションを楽しみたいわけですよね。女性がボトムだけにこだわらず、ヘアスタイルから爪先までトータルでかっこよく着こなしたいと考えているように。女装したい人には当然の感覚だと思います。
それと同じように、女装ではないけど男性もスカートでもパンツでもかっこよく・・・というのが、スカート男性の主張なのです。
ルノさん  2007年07月18日 16:13
男のスカートって、ぜんぜんOK。たとえば武道館で剣道の大会があるとします。下は袴だと理解できるのは、上が剣道着だったり、防具や竹刀を担いでいるから。カジュアルな上着で、バックパックを担いでいて、下が袴だったら、きっと“ぎょっ”とするでしょう。

つまり、“見慣れている”かどうかだけ。

毎日男性がスカートを履いている風景の中にいれば全く違和感もわかなくなります。写真でもいいです。スコットランドキルトを着ている男性は、どちらかといえば男っぽい。こういう人が毎日新宿や渋谷などでわんさか居ればまったくもんだいなく違和感なくみられるでしょう。

なんだかんだと理屈を付けても結局その程度のものです。六本木で白人や黒人がわんさかいてももうなんの違和感もないが、大阪の西成あたりでみればめずらしいのと同じ。

tarouさん  2007年11月25日 20:40
そうですねえ。見慣れれば違和感がなくなる・・・確かにそのとおりだと思います。
なぜ見慣れるほどに増えないのでしょうか。一般男性心理の中に、スカート(を同性が穿くこと)に対する根強い反発が巣食っているような気がします。
ルノさん  2007年11月27日 12:20
男がスカートをはかないのは、「女性に対しての差別的な深層心理が原因」なんて記事を見たことがあります。

というか、流通してるスカートは女性向けのデザインだから、似合わないのであって、
黒ですらっとしたロングスカートのような、
男っぽさがあるかっこいいスカートが増えれば、理解者も増えていくような気がするのです。
水石さん  2007年12月30日 12:29
水石さん、ご意見ありがとうございます。
実際の話、深層心理どころじゃなくて、表層から奥底まで差別に満ちていると感じております。男性的な女性に対してはおおらかなのに、男性が女性っぽいのは男性性を低劣なレベルに落とすことだとされるのです。
・・・なので、いくら男っぽいデザインのスカートがあったとしても、差別がなくならない限りスカートの受け入れは難しいのではないでしょうか。
ルノさん  2007年12月31日 00:37
私は女性に深い崇敬の念を抱いております。
現代社会が表層から奥底まで差別に満ちているのは、
男性側にも女性側にもそれぞれ問題があるとは思いますが、
徐々にではあれ解消されていくのではないでしょうか。

男性の視点で見れば、男性の特権とされてきた諸事が
今では逆に男性の重荷となっているのではと感じることもあります。
スカートを着てパンティを穿くのは逃避かもしれませんが、
気持ちが楽になり、よりナチュラルに生きられるような気がします
traviataさん  2008年03月25日 03:24
何千年も続いてきた差別がそう簡単になくなるとは思えないのですが、現実問題として、差別があるから不幸せというものでもないようですね。生まれ変わるなら女性がいいと考える人は、男性にも女性にも多いようですし・・・。それはある意味、女性には重荷が少ないからかもしれません。
ルノさん  2008年03月26日 14:08
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