2007年05月14日

巨大文化人形

日本の人形の一ジャンルに「文化人形」というものがあります。布を縫って作る抱き人形で、シンプルなボディと大きな瞳が特徴です。大正から昭和にかけて庶民に愛されたそうな。
なつかしむ年配者の中には和装だったと思い込んでいる人もいますが、洋装(ワンピース姿)がスタンダードです。

現代でもその独特のかわいらしさに惹かれてコレクションしたり制作に取り組む人々は多く、ネットで知り合った中にも愛好家がちらほら。
人が作ったのを見ると可愛いんだけど、私にはあまり関係ないような気がしていました。実物を見たことはありません。

その文化人形を作るはめになったのです。
依頼人は文化人形という言葉はご存じないようでしたが、ボンネットをかぶって目が大きくて、『きいちの塗り絵』みたいな顔のなつかしい人形がほしいとのこと。

ネットでいくつか見て回ったけど、作り方やボディ構造などがよくわからない。私のように太っ腹にレシピを公開している人は少ないのですね。
あきらめやすく深追い苦手なので、自己流で敢行。
ボンネットをかぶっていて目があんなふうにシュールならばそれらしくなるような気がしたんです。

でも実際にやってみると、バランスが難しくて、頭も胴体も3度くらい作り直し。すごくアンバランスに見えるプロポーションも、奇妙な均衡の上に成り立っているようです。それを極めるにはもっとたくさんトライすべきなのだけど、この辺で妥協しました。

文化人形もどき 文化人形

服と帽子は化繊のちりめんです。
身長は58センチで、顔なんか幼児並みに大きい(大きすぎ?)。本式の文化人形には頸がないように見えるけど、これは一応あります。ボディも手足も普通の綿詰めぬいぐるみなので、抱き心地はいいかも。
服はなぜか着せ替え可能です。帽子を取ったら頭全体に髪があります。毛糸だけど。

この文化人形、日本独特の趣があるのですが、外国でもけっこう人気です。ずっと前イタリアの人から、とってもキュートだから作り方を知りたいと問い合わせを受けたことがあります。洋風なのに純日本的なんて、不思議な人形ですね。

付記:
文化人形の歴史や作り方を知るには『リンゴ姫とキンギョ姫。』が、ほぼ唯一の参考書みたいです。レトロな背景の写真も素晴らしいし、実物大型紙もついています。
投稿者:ルノ 23:31 | コメント(8) | トラバ(0) | 人形・ぬいぐるみ
この記事へのコメント
ちょーかわぃぃ 黒瞳、黒髪がオリエントでエキゾチックですね。 スカートをも少し長くして、ペチコートなど穿かせてもすてきだなぁ。

重量ってどうですか?観賞用じゃなく抱き人形だと、猫か小型犬ぐらいの重量感があると好みです。
traviataさん  2007年05月15日 19:33
ありがとうございます。
> スカートをも少し長くして、ペチコートなど穿かせても・・・
私も後になってそのほうが良かったなあと思ったんです。
初めてだし、本格的な作法は知らなくて、「文化人形もどき」といったところです。
次回は・・・でも、また作る予定はなくて。
大きさは赤ちゃんくらいですが、柔らかくて、重さは500グラム程度ではないでしょうか。抱いても手ごたえはなさそうです。
ルノさん  2007年05月15日 23:32
初めまして、存在感のあるとても可愛い「巨大文化人形」を見せて頂き有難う御座いました。
「リンゴ姫とキンギョ姫。」の本を購入しました。型紙も付いていました。
「巨大文化人形」はこの型紙の2倍位の大きさにしたのですか?
教えて下さい。
宜しくお願い致します。
しろくまさん  2007年10月21日 21:43
ご覧いただきましてありがとうございます。
これを作ったときには「リンゴ姫とキンギョ姫。」は手元になく、全くの我流でした。型紙というほどのものも使わず、適当に切って縫ったという感じです。
もしあの本に載っていた型紙を2倍にすると、もっと脚の長い女の子になりそうな気がします。
ルノさん  2007年10月22日 14:38
初めまして、巨大文化人形を作って見たいと思いまして「リンゴ姫とキンギョ姫」の本を買いました。昨日から製作中です。最初は本に付いている型紙の大きさで作る事にしました。今日は顔を書くことになり、アクリル絵の具で書きましたが目を綺麗に書けません。絵の具が生地に染みて綺麗に書けませんでした。どうすれば綺麗に書けますか?教えて頂けますか?宜しくお願い致します。
アロマオレンジさん  2007年10月26日 14:22
うーん、これは紙に書くようにすいすいとはいかないものですから、経験を積むのが一番です。
にじむのは絵の具を水で溶いているからだと思います。コツをつかんだら、薄め方によって濃淡を出すことも可能ですが、最初はほぼ原液を使ったほうがよいでしょう。細かいところは、針先や爪楊枝の先などに絵の具をつけて描きます。
どうしても難しいようであれば、アイロンプリントを利用するという手もありますが・・・。
ルノさん  2007年10月28日 14:42
随分前の記事ですが、このお人形を見て懐かしくてコメントさせていただきます。
私が3歳くらいの頃に母がこれと同じような人形を作ってくれました。
もちろんこんなに垢抜けたものではありませんでしたが、とてもお気に入りで嬉しそうに抱いている写真も残っとります。
結構大きくて、自分の体の3分の2くらいありました。
あの頃からお人形好きになったようです。
「文化人形」という名前は知りませんでした。
懐かしいお話、ありがとうございました。
エスツェットさん  2008年05月18日 23:44
ご覧いただきましてありがとうございます。
お母様の手作り人形を抱いて育ったなんてうらやましい限りです。
私の母は「文化人形」なんて知らないと言っていました。当時はモダンな人形だったから、田舎では見かけなかったのかもしれませんね。

ルノさん  2008年05月26日 22:38
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