2011年02月27日

難しゅうございます

大盛況らしいツイッター、私はいまだに見たこともやったこともありません。ブログなど抱えているだけで精一杯なのに、これ以上手を出す余裕などないに決まってます。
この「余裕がない」はあいまいさが便利で、弁解に当たってよく使います。内心では「精神的な余裕」を指していて、要はやる気がないってことだけど、相手は「時間がない=忙しい」と受け止めてくれるだろうと期待してるんだよね(このへん、個人的つぶやき)。

ツイッターは「短文のつぶやき」って形だそうです。一般に「つぶやき」は独り言などに用いられ、他人に聞かせるものではなかったはず。
他人に読ませるものではなかった日記が、ウェブで公開を前提としたとたん発展・増殖していったのと同じような経過をたどっているのでしょう。

いちおう「つぶやき」という建前に気楽さがありそうですね。

普通、人は「ですます体」でつぶやいたりはしません。タラちゃんじゃないんだし。
しかしながら、半数以上のツイッター利用者がそれなりの文体を使っているだろうと推測します。ブログよりはくだけているとしても、公開するものである以上、あまりにぶっきらぼうだと、「このヒト、何様?」とか感じる人が出てきてやりにくいからです。

敬語が嫌いな私も、丁寧語はまあまあ便利なものだと思っています。ちょっとした防護服のようなもの。

丁寧語は聞き手・読み手に対して敬意をあらわす(または距離を置く)ものです。その基本が「ですます体」ということでしょうか。文末を「です」や「ます」で終える形式。「だ」「である」を「です」や「ます」に変えれば、とりあえず丁寧になるから、簡単といえば簡単です。もっと丁寧にするときは「ございます」となります。

その「です」はどんな語にも無条件でつけることができるかというと、むろんブンポーにのっとる必要があります。

たとえば、「きれいですね」も「美しいですね」も、日常の話し言葉では特に違和感なく言い聞きしていますが、この両者、決定的に違うのです。
「きれい」は形容動詞、「美しい」は形容詞です。形容動詞には「です」をつけることが可能ですが、形容詞にはつきません。「美しいです」は文法的に間違っているのです。

じゃあ、なんと言えばいいんだ?

「美しゅうございます」もしくは「美しゅう存じます」が正解。ひえっ。今どきそんな気取った言葉遣いする人なんかいるかよ。

形容詞に関しては、「美しい」からいきなり死語に近い「美しゅうございます」になって、中間がないという、たいそう不自由な空白を生じているのです。これは日本語の欠陥といえます。
尊敬語では「食う」→「食べる」→「召し上がる」→「お召し上がりになる」など、敬意に応じて段階があるのに(この上の「お召し上がりになられる」はNGだす)。

しいて「です」をつけるなら、「美しいのです」となりますが、ちょっと説明的というか、ニュアンスを考えると常に置き換え可能とは限りません。

文法的に間違いとはいっても、文章的に間違いってわけではありません。すでに広く使われていて、『文部省追認形』として認められています。「行きたいです」などはまだ非推奨のようですが。
「ら抜き」に嫌悪感を示す堅物でも「形容詞+です」は普通に使うことが多いようです。

そんなふうに口語ではなんとも感じませんが、手紙やメールなど書き言葉にすると、どうも稚拙な印象を与えます(そう感じる人は減ってきているとは思いますが)。「美しいと思います」など回りくどい表現にしたり、名詞化して「美しさが際立ちます」とかに変えたりで対処する人もいるでしょう。

言葉はめまぐるしい勢いで変化しつつあります。文法的些末事をゴチャゴチャ言う人もそのうちいなくなると願いたいものです。
投稿者:ルノ 22:51 | コメント(0) | トラバ(0) | イチャモン日本語
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