たまたま借りた手芸本「ディズニーのフェルトマスコット&小物
日本製キャラクターはポケモンみたいに、完全に毒を抜いた純粋なかわいらしさが特徴です。
それゆえ世界を席巻しつつあるのかもしれません。
とかなんとかいいつつ、せっかく借りたので作ってみました。

なかなか躍動的でしょ。(耳の切れ込みが逆みたいだが。)
この本で紹介されているマスコットの作り方は、私が想定したことがないものでした。アニメのワンシーンからひとつのポーズを正確に切り取っているのです。
一見立体的だけど、その実、平面がわずかにふくらんだに過ぎません。この斜め向きのポーズが真正面であって、向かって左側に視線をずらしても、正面を向いた顔に見えるわけではありません。
横から見たらペタンコだし、後ろ姿もなんかヘン。これなんか、右腕は頭からはえています。いくらモンスター(?)だからって。

右肩の位置から右腕が出ているとすれば、地面に届くくらいの長い腕でなければならないはず。でも表から見てそのようなアンバランス感はありませんよね。
これも一種のリアリティです。
これまで私はなるべく立体的になるよう人形をデザインしてきました。
10センチ程度の簡単なドールはかなり平面的ですが、それでも髪のつけ方や服の縫い方など、可能な限り三次元を意識しています。その結果、手間ひまかかるわりに手足が棒のようで見映えのしないものができてしまったような気がします。
もっと柔軟な考え方を取り入れて、このディズニーシリーズのように平たくてもドラマのあるミニドールも面白そう。
平たいほうがブローチや髪飾りなど、応用も広がります。
人の視覚は実に厄介なものです。リアリティを狙って人間と同じ比率に仕上げると、かえって不自然な場合があります。
固定ポーズの人形を作る場合、膝を曲げて座っている人形は立ち人形よりも脚を長く作るのが一般的です。
左右の腕が同じ長さでも、片腕のみ曲げると、伸ばした腕よりも短いように見えます。
ウェディングドレスなどでふんわりとして丈の長いスカートを着せると、股下が身長の半分以上あっても、胴長短足に見えてしまうのは困ったことです。添わせる花婿は花嫁よりも長身であるべしが不文律だから、ズボンをはかせると脚の長さがいっそう目立ってしまう。
これは人間にも当てはまりますよ。一生に一度(でもないか)の結婚式に美しく見せたいなら、スカートのボリュームは極力抑えましょう。膝から上はスリムフィット、その下をぱーっと広げてトレーンを引くとまあまあ脚長に見えます。
私たちは自分で信じているよりも立体的な感覚が鈍くて、視界を1枚の絵として捉えているのではないでしょうか。
パースペクティブなる技法を編み出したのもその現れです。遠くにあるものを小さく描けば奥行きを感じるなんて、視力のずさんさを示しています。
化粧や着こなししだいで小顔脚長ほっそりプロポーションを演出できるというメリットもありますが。
イエスの死体を抱く母マリアの姿を表わした『ピエタ』(ミケランジェロ)。マリアの顔がやけに若いと突っ込まれているようですが、年の差は15くらいなんだから、そんな些事にこだわらなくても。
ほかには特段おかしな点は感じられません。
しかし同じ構図を生身の人間で再現するとなると、小柄な男と雲衝く大女を起用しないと無理だとか。
配置されたのが小さなマリアなら、作品そのものの迫力や情趣は減ぜられたことでしょう。聖母の存在感を出すには大きく作ることがミケさんの演出であったのか。
見せるものを作る立場としては、そうした視覚の傾向を計算に入れる必要があるのだと、このごろやっとわかりかけてきたところです。
なるほどぉ、やはりその道の作る技ってのがあるんですね。何気なく見ていますが今度は手足のバランスなどを観察してみます!
しかしルノさんは毎度、長文を上手に書かれます…凄いですね。私の場合はそんなふうにはとても書けないです(汗)。これは知識の違いでしょうね!
試しに今回、ホームページアドレスを入れてみましたが、どうなるのかな?
ここではcookieを使っていないようですから、URLなどは毎回入力しないといけませんが、オートコンプリートを利用すればさほど面倒ではないでしょう。