2006年05月15日

ドーベルマンの悲劇

ぬいぐるみの動物に興味を持ったころ、一番に作りたかったのがドーベルマンでした。
型紙も目玉も早々と用意して、生地を捜したけど、良いものが見つかりません。ご存じのように、一般的なドーベルマンはベリーショートの艶やかな黒に一部がタンのツートンカラー。黒い布はさまざま売られているのですが、同素材のタンがない。
保留のまま今に至っています。

ドーベルマン作りを思いとどまったのは、ほかにも理由があります。
私のぬいぐるみは、猫はともかく犬はなかなか好評で、海外からも問い合わせが寄せられます。とりわけ紀州犬は向こうの人々に人気です。
趣味で日本犬のサイトをお持ちのかたは、ぜひ英語版を作成しましょう。成功間違いなしです。

それは余談として、問題はドーベルマン。

ドイツ生まれのドーベルマンは、日本とヨーロッパでは容貌が異なるのです。
日本のドーベルマンは和風な顔つきなの? まあ、そんなところです。
日本では耳が細くて角みたいにピンと立っていますよね。ヨーロッパでは平べったくてぺちょっと垂れているのです。垂れ耳も可愛いと言えば可愛いけど、日本人が「ドーベルマン」という単語から受ける『獰猛』『精悍』といったイメージからはかけ離れています。

種類が違うわけではありません。日本では子犬のころ耳を切って立たせるのです。同様に尻尾も短く切って立たせます。これを『断耳』『断尾』といいます(だんじ・だんびと読むらしい)。ドーベルマンのみならず、多くの犬に施されています。
その習慣はおそらく原産諸国から入ってきたのでしょうが、すでにあちらでは廃れつつあるらしく、英国などでは動物愛護の観点から禁止されているとか。

もし立ち耳のドーベルマンぬいぐるみを世界に公開したら、日本人の残酷さを示す一例となりかねず、どうにもよろしくない。ただでさえ日本人は鯨を食う野蛮な人種だと思われてるんですから。
さりとて垂れ耳のドーベルマンには食指が動きません。日本人はドーベルマンだと認めてくれないかも。

そんなふうにちょんぎる最大の理由は「見た目を良くする」ためでしょう。ミスコンテストの入賞者が整形美女だったとわかったら、日本では陰口叩かれそうですが、犬は整形美犬がまかり通る、というか、そうでないと出場資格がなかったりするそうな。各犬種には標準外観(スタンダード)が定められているのです。
断耳・断尾が残虐行為に当たるのかについてはコメントを控えます。手術の際は麻酔をかけて痛くはないだろうし・・・。犬ってのは人間におもねる傾向があるから、自分がかっこよくなって飼い主が喜べば嬉しいかも。

それにしても解せないのは、スタンダードなるものの決め方です。
多くのドーベルマンが立ち耳で、たまたま垂れ耳が生まれたけどほかの素質は良いから耳を立ててドッグショーに出そう・・・なら多少は納得も行きますよ。もともと耳が垂れているのが当たり前の犬種に「立ち耳」を強要することにどんなメリットがあるのでしょう。生まれつき立派な立ち耳を持つ犬種はわんさとあり、立派な垂れ耳を誇る犬種もあまたいるのに。
もしドーベルマンが垂れ耳のまま定着していたら、『やーさんの用心棒』なんて不名誉なレッテルも貼られずに済んだはず。

仮に「日本人の耳はとんがりエルフ耳が標準である。そうでない人は皆手術すべし」てなことになったら、どうしますか。えっ、整形外科医になる? うーむ、あざとい。
投稿者:ルノ 22:04 | コメント(2) | トラバ(0) | 人形・ぬいぐるみ
この記事へのコメント
初めまして^^
うちには垂れ耳のドベがいるのでついつい書き込みました。
日本では、いつも「なんて犬種ですか?」と聞かれます。
じゅりあさん  2006年05月16日 13:53
じゅりあさん、こんにちは^^
今後は我が国でも垂れ耳が増えていくと思います。
じゅりあさんはきっと生活全般をナチュラルに過ごしていらっしゃるんでしょうね。
Runoさん  2006年05月18日 06:48
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