2007年11月23日

男は胸キュン

胸キュンなんて言葉がはやったのはいつのことだったか。
胸キュンって、英語ではどう表現するのでしょう。

というようなことに興味を持ったわけでは全然ないけど、胸キュンにたどり着いたのは英和辞典がきっかけです。

某英語サイトのタイトルを変更しようとあれこれ考えまして、やっぱcuteが無難かな・・・と辞書をめくりました。

このcute、もともとはアメリカ語であって、イギリスでは別の意味を持ちます。もっとも、今や世界のどこでもcuteの第一義は「かわいい」でありましょう。
当該サイトにも"cute men"などで検索してくる人がけっこういました。ひとかどのオトコには似つかわしくない形容詞だけど、女子高生や若い女性が見境なく「カワイイ」を連発する現象は日本だけではないと思われます。

英語にいくつかある「かわいい」を意味する言葉の中では、cuteが最も一般的です。
lovelyやprettyは、美しさに温かみや親しみが加わったようなかわいらしさです。
ほかにcuddlyという言葉もあり、「抱きしめたいほど可愛い」などと訳されまして、人よりもぬいぐるみや人形に使われるようです。

ところがです。一見ありふれたcuteなのに、どうもタダモノじゃないようだ。瞠目したのは語源です。
ランダムハウスには『ACUTEの頭音消失異形』とあります。そのacuteは「鋭い、激しい」苦痛や悲哀を表わす形容詞です。「激しい」よりももっと強い「激烈な」が適当な感じ。

えっ、どうしてそんな激しい痛みが、aが取れたくらいで「かわいい」になっちゃうの?
再度cuteの項に戻りますと、『鋭く胸を刺すようにかわいい』のだと。

「可愛い」って、胸をキュッと刺すほどの強い刺激なのですね。
ここから胸キュンまでは一足飛び。ですが、ちょと待った、日本語にはcuteと同等の伝統的な言葉がありました。

愛くるしい

この「くるしい」はひらがなであって、「愛苦しい」とは書きません。語源も知りません。
それでも「むさくるしい」や「重苦しい」の仲間だとは想像がつきます。

愛くるしいもcuteも、子どもや若い女性など自分より小さい対象に使う言葉です、本来は。
西洋人も日本人も、小さな可愛いものは痛みや苦しみに似た感情を呼び起こすことをひしひしと感じていたのです。

だからきっと、胸キュンもその延長なのですよ。キュンが激しいと心筋梗塞のおそれもありまする。

つまりですね、若い女性がベッカムを見て胸をときめかせるのはいいとして、それは胸キュンとはちょっと違うんじゃないかなってこと。ベッカム(ってもうオジサンやんか)に胸キュンする資格があるのは、もっとでっかくて年いってて強くて・・・うへえ。

さてあなたは、そんなふうに胸が痛いほどかわいいものに出会ったことがありますか?

私はあまり記憶にありません。
いーのよ、オンナはかわいいと言われる立場なんだから。胸キュンは男の特権、男の義務だーい。

いやはや、差別的発言でした。
よりポリティカリーに言い直しますと、大きくて強い人間は、自分よりも小さい非力な人間に接したら、そのひたむきさ、可憐さに胸打たれ、「かわいい」「守ってあげたい」「いつまでも大切にしたい」と思うべきです。それを実行すべきです。

人類は恐竜に追われ、マンモスに踏まれて散々な思いをする一方、小さなうさぎやねずみを糧としてきました。いわゆる弱肉強食です。生きるためには致し方ありません。小さな獲物で満足せず、マンモスまで狩ってしまう創意工夫は人間の誇りとしても、安易な方向へ流れるのが一般人の常です。

小さなものに対する攻撃が同じ種に向かうと、その種は滅びます。
それを回避するためか、小さくて丸っこい形は母性本能を刺激するらしいのです。とりわけ哺乳類はそういうしくみがなければ、赤ん坊はたちまち死に至ります。
かわいらしさが苦痛に近い感銘を与えることが民族を超える共通意識であるのもその表れではないでしょうか。

強く大きくなった人間が小さなかわいいものへの感受性を持ち続けるなら、いたいけな幼子を床に叩きつけたり、熱湯に浸したりできるはずはありません。
無力な相手を蹂躙するのはいともたやすく、頭脳と膂力ある人間が決してやってはならないこと、恥ずべきことです。子どもだけじゃない、無能な部下も気弱な同級生もいちおう「か弱き者」だ。
だいたいね、我が子も同然の幼子を殺して懲役6年だなんて、そもそも求刑10年からして少なすぎるが、ほぼ半額セールではないか。私が裁判員になったらそんな甘っちょろい判決は許さんぞ。
うー、横道か?

男たちよ、胸キュンを忘れるな。
あ、それで、胸キュンを英語でなんと言うかは自分で考えてね。
投稿者:ルノ 22:56 | コメント(4) | トラバ(0) | 辞書と戯れる
この記事へのコメント
胸キュンは難しい表現ですね。ドキドキする、胸が締め付けられるの
近辺だとは思うのですが、キュンとなったら、ホントに死にそう。
胸キュンは、愛くるしいと異なり、男女の愛限定のように思います。
(今時は女女、男男、女男女、男女男・・・・・めんどくさい世の中です)
だとすれば、拍動が高まり、心臓破裂寸前、達した状態に近いか、
それを連想させる妄想の誇大表現でしょうか。
私の訳は歌から取って、Killing Me Softly。
ルノさん正解教えてください。
traviataさん  2007年11月26日 00:34
恋愛限定と言われればそうなのでしょうね。キュンを知らず、欲望にのみ走る人々の存在は嘆かわしい限りです。

killingは強烈ですが、当を得ている感じ。
なお、正解を出す前に和訳が必要なのですけど・・・。
ルノさん  2007年11月27日 12:24
ぼくは、胸がキュン!ってなりますが、べつに、頭の中には、好きな人や恋などと言うことはありません。 心の奥にもありません。 経験は、あります。ですが、キュン!ってなります。何なんでしょう?
マサルさん  2009年03月30日 23:51
マサルさん、こんにちは。
何もなくて胸キュンになっちゃうのは、感受性が強すぎるんでしょうか。
もし明け方ころしばしばそうなるとしたら、狭心症の疑いがあるという話を聞いたこともありますけど・・・。いや、別におどかすつもりはありません。
ルノさん  2009年04月02日 15:20
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/7105647
※宣伝色の強いトラックバックは歓迎されません。
※トラックバックには言及リンクが必要です。

この記事へのトラックバック