2007年12月20日

他山の品格

本にお金をかける余裕のない身に、図書館はありがたい存在です。
習慣として、調べたいことがあれば、インターネットよりも書物を優先します。情報の信頼性や新鮮さ等々はあまり問題ではなく、画面よりも紙のほうが目に優しいから。

本を買うことに及び腰なのは、経済的事情や収納場所の問題もさりながら、お金をかける値打ちのある本が少ないのも理由。
ほとんどの本は読後ゴミと化します。読んでる最中から腐臭を放つものだって少なくない。いやこれは、タダの本を漁ることで事前の吟味がおろそかになり、カスにぶち当たる確率が高いだけなのかもしれません。

もちろん身銭を切ることだってあります。

仕事(?)で必要なアニメ、コミック、ゲーム関連本は、公共図書館では品揃えが薄く、書店へ行くしかありません。こういう種類の本は使い終えたらほぼ無価値なので、古書店を中心に捜しますが、なかなか適当なものに巡り会いませんねえ。
まれですが、図書館で借りて読んだ本が気に入り、欲しくなることもあります。愛蔵目的で買うわけですから、古本ではダメです。

わが町の図書館では1年ほど前にICタグが導入されました。
さらにこのたび、借りたい本がインターネットで予約できるようになりました。
これまでも館まで出向いて予約票みたいな書類を提出すれば予約ができましたが、予約・借り入れ・返却と3度にわたって訪問しなければならず、面倒なものでした。少しは進歩した(便利になった)と受け止められていることでしょう。

私自身は予約してまで読みたい本などなく、図書館サイトを訪れたことはありません。
予約システムは人迷惑なものだと思っております。
1冊の本をひとりが占有する期間が大幅に延びてしまうのです。
しくみがこれまでと大差ないのなら、ある人が何かの本を予約すると、それを貸し出しできる状態になったら図書館から連絡が来ます。2週間以内に借りに行き、返却は2週間以内に行います。つまり確保から返却までに最大4週間、その本は書架から消えてしまうのです。
中には何か月も借りっ放しの不届き者も大勢います。

人気の本・話題の本・ベストセラーなどは予約がぎっしり詰まっていて、館内でお目にかかることはほとんどありません。
それではまずいと思うのか、図書館では貸し出し要望の多い本を何冊も購入します。結果、予算配分が偏り、もっと価値ある本に充てる費用が削られるのです。

本は現物を目にしたときのインスピレーションのようなものが重要だと感じます。なんの先入観も持たず、タイトルと著者名だけで未知の作家と出会い、豊作だったときの満足感は読書の醍醐味です。
たとえ結果的に豚の餌であっても、経験を積むことで本を見る目が徐々に養われると期待できます。

テレビや新聞やあまぞんでこれこれの本が売れてると聞きつけ、ならば乗り遅れないために目を通しとこう。そんな経緯で本を選んだところで、書物に対する感性が磨かれましょうか。

私はベストセラーなんてものには興味がありません。大勢の人が熱狂していること自体、わざわざ避けて通る理由になり得ます。
ただし「売れた=無価値」と決めつけるほどの偏屈でもない。数年後、顧みられなくなってボロッとしているものを借りて読んだらおもしろかった、てなことはけっこうあります。

新聞の書評も全然参考になりません。取り上げられる本が全般に高尚過ぎて、自分とは無関係な世界だなーって感じ。そんな低レベルでいながら「本への感性」を云々するんだからね、ヌケヌケと。

今年一番売れた本は『女性の品格』だそうです。
むろん読んだことはありません。手に取る気にもなれん。タイトルからして品格に欠ける。世の品格ブームに乗ってやろう=売ってやろう=儲けてやろう・・・と、さもしい根性が見え見え。思惑通りに飛びついた日本人(女性)の品格の程度も知れますわね。と、200万女性を敵に回すことを辞さないのであった。

せめてヨイショしてみますと、品格を得ようとして読んだ人々は、我が身の品格のなさを自覚しているわけですよね。それさえも気づかない人々よりはずっとエライ。その謙虚さをあらゆる局面で活かせば、きっと人生品格だらけになることでしょう。

ベストセラー本でなくとも、品格を身につける方法は転がっておりますぞ。
たとえばこの『貧盗恋歌』をじっくり読む。世の中には「他山の石」という言葉だってありますからね。
投稿者:ルノ 21:25 | コメント(0) | トラバ(0) | 世相=世間相場?
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