まず破天荒とは・・・『天荒を破る』ことです。天荒とは天地が別れる前の混沌とした状態、だそうな。そこから破天荒は『それまで誰もやらなかった驚嘆すべきことを成し遂げる、またはそういう現象が起こるさま』を指します。
具体的には、唐の時代ある人がムズカシイ官吏登用試験に合格したことが発端と辞書にはあります。えっ、その程度? その人(名前は劉蛻)の出身地は『天荒』とバカにされるほど荒れ果てたド田舎(って、三国志でお馴染みの荊州だよ)だったので、みんなが驚いたわけなのです(出典:北夢瑣言)。
別の辞書は『一説に天荒とは試験に落ちることで、破天荒は意外な及第の意』とあっさり説明しています。
繰り返しますと、破天荒は「行為」や「事柄」を形容する言葉なのです。
類義語は「前代未聞」「未曾有」。前代未聞はちょっと珍しいことにも使うけど、未曾有は大災害や重大事を指しますね。
しかるに最近目にする『破天荒な人物』『破天荒な性格』という表現。いったいどういう人なんでしょう。誰もやらなかった驚嘆すべきことを次々と成し遂げた立派な人物?
『高校時代は番長としてならした破天荒な男』なんてのを見ると、単なるハチャメチャ人間でも破天荒になっちゃうらしい。「破」や「荒」の漢字から受ける印象を自己流に解釈して使っている例が多いようです。
気持ちはわかりますよ。ニュアンスはけっこう伝わってきたりします。
無茶で突飛な言動で周囲を驚かせたり呆れさせたり、また迷惑をかけまくるが、志は大きく憎めない性格で、将来を有望視されている(もしくは実際に大成した)という複雑な意味合いに、語り手(書き手)のほほえましくも好意めいた視線まで含ませてたった3文字で表せる単語がほかにあるでしょうか。
人以外へのヘンな事例も。
『破天荒な英語力』・・・英語の天才かと思いきや、自己のブロークン・イングリッシュを謙遜したつもりらしい。こうなると何をかいわんや。「好き」を“I see tell”と訳すようなものかしら。
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