2007年03月12日

3匹の犬はつむじ風

先日、ノートに文章を書こうと試みた話をしましたが、実はさっぱり進展しておりません。

ところでその大学ノートをめくったとき、思いもかけないものを発見して愕然としたのでした。

ヘターな字をお目にかけたくはないのですが、努力ぶりに我ながら感動したものですから。数年前と思うけど、当時からおツムへの危機意識だけはあったようです。
練習帳
内容は、JIS第二水準の漢字を順次書き出し、漢和辞典で読み方と意味・熟語・用例などを調べて概略を書き写したもののようです。

「仄」の項には「ソク 傾く、ほのか、いやしい。仄日=夕陽 仄目…目を逸らす 平仄(ひょうそく)…つじつま」
「俤」は「おもかげ、すがた、顔つき。弟に兄の面影があるので」と記入。なるほどねー。

この書き取り練習を真面目に続けていれば、今ごろは生き字引に近づいていただろうか。
残念ながら数ページで挫折し、「にんべん」までしか残っておりません。こんなものを書いたことすら忘却の彼方でありました。自分で書いておきながら、ほとんどの字がまるで初めて見たような印象。情けないのう。

別のページには、重ね字(とは呼ばないだろうけど、同じ字が2つ以上組み合わされてひとつの漢字になったもの)を捜した形跡がありました。

基本は一がふたつで二。
木が2つで林、3つで森、じゃあ4つで・・・ジャングル。ってのは昔見たなぞなぞ。
「出」は山2つに見えますが、つながっているので失格。「羽」は2つ並んでいるけど、1つでは漢字として成り立たないのでダメ。
人気の漢字「彡」はどうなの? 「丿」という字があるにはあります。「ヘツ」とか「ヘチ」とか読みます。「右から左へ戻る」ことだとか。でも角度を見ると、ちょっと違うような。

そんなふうにして捜すと、重なり漢字ってけっこう多いのです。

「又」は重なる意味があるけど、それを重ねた「双」は4つ重なることではなく2つにしか過ぎません。双子を表す漢字は「子」が横に2つ並んだ「孖」(表示されない?)。

2つよりも3つ重なる字のほうが多いようです。蟲、姦、轟、等々。
ありそでないのは、田が3つ、口が4つの漢字。部分的にはよく使われますが。

4つ重なるものは思いつきませんでした。
昔、最多画数の漢字は「龍」を4つ組み合わせたものだと聞きましたが、手持ちの小さな漢和辞典には載っていません。
「鹿」3つが最高かな。こんな緻密な字なのに、意味は「粗い、大雑把」だそうです。

パソコンの漢字変換に頼るだけでなく、ときには辞書をめくって漢字遊びをするのも面白いものですよ。ネタも見つかるし。
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投稿者:ルノ 18:41 | コメント(11) | トラバ(0) | 辞書と戯れる
2007年02月12日

臍を噬む(ほぞをかむ)

ほぞとはおヘソのことです。
噬むは噛むと同じ。ニュアンスとして、噬は前歯でかぷっと、噛は奥歯でしっかりと・・・みたいな。噬にはついばむという意味もあるのです。

へそをかむなんて、いったいどうやったらそんなもん噛める〜ん?

受難』のフランチェス子さんのようにメチャ柔軟ボディの持ち主が、イヤミみたいな出っ歯だったら、歯が立つかな。
普通の人間にできるのは、他人のデベソを噛むくらいでしょうね。

ので、「ほぞをかむ」とは不可能なことのたとえです。
違うって。まあ、同じといえば同じだけど。
おおもとは噬臍(ぜいせい)という熟語で、晋と楚の勢力争いを書いた『春秋左氏傅』(左伝)が出典です。へそには口が届かないから、いくら後悔しても間に合わないのだ、と。

一般に「悔やむ」「後悔する」の意味で使われます。後悔はどのみち手の打ちようのないときにするものですが、「臍をかむ」は後悔の程度を上げて「激しく後悔する」が適当なようです。

「切歯扼腕」「歯噛み」「歯軋り」など、悔やんだりくやしがったりするときには歯の出番が多いですね。あまりぎりぎり噛み締めると歯が磨り減るのでご注意を。
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投稿者:ルノ 20:35 | コメント(4) | トラバ(0) | 辞書と戯れる
2006年12月06日

不吉なイチタ

不吉なイタチ、ではありませぬ。
イチタとは・・・パソコンによってはちゃんと表示されないかもしれませんが、文字通り一にカタカナのタ。列という漢字のへん(左側)の名前です。
漢和辞典によりますれば、漢字の歹は『ガツ』と読みます。意味は、『もとる』とか『わるい』とか、まあ吉事とは程遠いようです。
字源は砕けた骨の形状から来ています。一説には『骨』という字を半分にしたとな。え? 縦割りかしらん。それともドラフト印刷?

そういう成り立ちゆえか、イチタの部首を持つ漢字は不吉なものばかり。
おおむね、死・殺・滅・棺・葬・災などに関係する字が多いようです。

むろん筆頭は『死』。ただし死は横棒が長いので、辞書によっては『一』という部首に分類されています(歹も同様)。
殉死・殉職の『殉』も死の一種ですね。
イチタの右側に『血』をつけたのは『鳥の卵をつぶす』という意味の漢字だそうです(部首変換でも出てこない)。

『残』は残酷・残忍に見られるように、『むごい』『滅ぼす』等の意味があり、特殊や殊勲の『殊』はこれまた『殺す』『根絶やしにする』という意味も持ちます。殆(ほとんど)という言葉も、危うい→滅びそうだというところから来ています。

問題なさそうなのは、上述の『列』くらいか。

いやいや、めでたい字がありました。
利殖や繁殖の。意味は、増える・育つ・茂るなど、このグループで唯一、明るい展望に満ちた漢字です。

しかし・・・。

「配当金何十万」「絶対に儲かります」「3年で元本回収」など、いかがわしい投資話にすいすい乗っちゃう人々はいつの世も絶えません。財産失ってほぞをかむ彼らにとって『利殖』という字はこの上なく不吉なものに見えることでしょう。
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投稿者:ルノ 21:21 | コメント(0) | トラバ(0) | 辞書と戯れる