田舎のことでもあり、虫を怖がる子は珍しかったほど。
夏休みには昆虫採集をしたものです。標本セットを買うと、オモチャみたいな注射器が2本入っていて、ひとつは虫を殺す毒液、もうひとつは防腐剤のようでした。虫に注射するときにはドキドキしました。
川の近くの草むらにはたくさんのハグロトンボがいて、青や緑に輝く細いボディを眺めたり、指をくるくる回して遊びました。これでトンボが目を回すなんてウソだと思うけど。ハグロトンボなんて、もうどこにもいないのではないでしょうか。
夏の夜には蛍の乱舞を見ることができ、ほうきを振り回して捕まえました。
アゲハチョウも大きくて派手なものがいっぱい飛んでいました。
文明社会は小さな生き物たちを徐々に駆逐してきました。
ゴキブリとダニは別です。繁栄の一途をたどっています。
それでも我が家ではゴキを見かけることはなく、ダニは何億匹いようが悩まされません。幼いころ虫に触ったり泥んこ遊びをすると、アレルギーになりにくいそうですね。
気休めみたいにホウ酸ダンゴを置いてるけど、蚊取り線香は買ったこともない。窓を開けるとたまにハエが飛び込んでくることがありますが、カーテンを全部閉めて一箇所だけ細く開けると、そこから出ていきます。
今では虫嫌いで、触ることもできません。
もしゴキとダニがいなくなるのであれば、その他の昆虫もぜーんぶ絶滅してかまわない、くらいに思っています。もっとも、先に絶滅すべきは頭の黒い巨大ゴキブリたちです(黄色や茶色、白、赤、ハゲもいるでよ)。
きれいな虫や可愛い虫の存在も貴重には違いないけど、思い出の中だけでじゅうぶんです。
何トンボ? 知らぬ。フェルトのボディにチュールの翅。


カタツムリは虫か? でんでんむしっていうくらいだから、いいんじゃない。

そういえばカタツムリってものも長いこと見た記憶がありません。殻の後ろがどうなってるのかわからないので、テキトーに仕上げました。