2014年01月02日

A Merry Christmas

しょーがつ早々なにボケとんねん。

10年前の元日、『A Happy New Year の A』という短いエッセイを書いたところ、けっこう反響を呼び、現役の英語教師さんを初めさまざまなかたからご意見をいただきました。

ページは今でもありますが、訪れる人もなくカビが生えているので、今回それを蒸し返そうと企てたのであります。
とはいえ単純に再掲するのではあまりに芸がない。『A Merry Christmas の A』でも趣旨は同じだから、クリスマスバージョンで焼き直してみようかな。でもクリスマスの時期にアップしてはインパクトが足りん。てなわけで・・・。相変わらずヘソマガリ。

なぜ蒸し返したくなったのか。
先月あたり、年賀状に A Happy New Year と「A」をつけるような間違いをするのは日本人だけ、みたいな説が闊歩しているとか聞き、いささかあきれたのです。

確かに、A Happy New Year の A は省略可能、むしろ省略するほうが多いようです。見た目だって、ないほうがスッキリ。
が、「省いてもよい」と「あっちゃいけない」とでは大違いじゃないですか。
日本人ってのは、本来あるべき冠詞を勝手に取っ払うというミスは得意だけど、逆はまずやりません。不要なはずの a を付け足したのが日本人という考え方がそもそも不自然です。

省略といえば A Happy New Year からして、すでに省略形です。
フル構文は I wish you a happy new year.
クリスマスも同じく I wish you a merry Christmas.

すると、あのクリスマスソングが思い浮かぶかたもいらっしゃいましょう。
We wish you a Merry Christmas
We wish you a Merry Christmas
We wish you a Merry Christmas
And a Happy New Year.
ちゃんと、a があるじゃないの。

にしても、クリスマスのお祝いに新年を便乗させちゃうなんて、あっちの人はものぐさ〜。なんて思いません?

わが国には『盆と正月がいっしょに来たような』という言い回しがあるけど、クリスマスと正月がいっしょに・・・てな例は聞きませんね。ほっといても両者はいっしょに・・・ではないにしても、間をおかずに来ます。
でも日本人は時期が近いからと、いっしょくたにはしないでしょう。子どもたちはクリスマスプレゼントとは別個にお年玉もしっかりもらえて、大好きな季節。

一般に、Happy New Year は『新年おめでとう』、Merry Christmas は『クリスマスおめでとう』などと意訳しますが、少し意味合いが異なります。

『あなたが幸せな年を迎えますように』『あなたが楽しいクリスマスを過ごしますように』との思いが込められているのであって、祝う相手は「あなた=人間」です。

その点、日本語の『新年おめでとう』は年そのものを祝うって印象。年が改まることは、それ自体めでたいのです。

だからかどうかはともかく、1秒でも新年に入らない限り、「おめでとう」の言葉は控えますよね。あらかじめ言うのは、まだ来ていない新年さんに対して失礼だって気がするんでしょう。
年賀状が年内に配達されたら郵便局にクレームつけるし。
仕事納めのあと、下ろしたシャッターに『謹賀新年』のポスターを貼る会社もありますが、なんとなく落ち着かない気持ちでしている社員がいるかもしれません。

I wish は将来への期待ですから、そんな遠慮はいりません。
祝辞にクリスマスと新年を並べるのは普通のことです。
いえいえ、昨今はポリティカリー・コレクトの観点からか、Merry Christmas を避けて Happy New Year のみにする人が増えたとか。つまり、Happy New Year は、れっきとしたクリスマスのあいさつです。

本題に戻ります。必要というのならば、その a はどういう意味?

あいにく英語が苦手なわたくしには、上手な説明ができませんが・・・。
辞書で Christmas の項を開くと、『形容詞を伴う場合は a をつける』とあります。
ではなぜ形容詞が a を連れてくるのか。
不定冠詞 a は『通例 the のつく唯一の物を表す名詞・名詞句・固有名詞につけて、そのある特別な状態を表す』役割も持ちます。Christmas も new year も、これに当てはまるようですね。

Happy new year に a は要らないという意見は、国内に昔からありました。
つけるのは間違いだと断じた人は、どこかで聞いた話を軽い気持ちで書いただけかもしれません。事前に自分でちょこっと調べるくらいの良識があればよかったのにね。
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投稿者:ルノ 19:56 | コメント(0) | トラバ(0) | 英語・英文・英会話
2007年12月03日

ぐぐりたまえ

「ググる」「ぐぐる」という動詞はすっかり定着した感があります。
対して「やふる」は聞きませんねえ。ヤフーのほうがシェアが上なのに、どうして?
はすに解説いたしますと、「ぐぐる」なんて用語ができてしまうこと自体、マイナーの証明です。「検索する」はヤフーで検索すること、「ぐぐる」はグーグルで検索すること。

そのぐぐる、英語圏でも通用するのでしょうか。

英語ページを読むことはめったにありませんが、メーリングリストで
"I googled, but could not find."
みたいな文章を見かけたことはあります。
認知はされているようですが、動詞として活躍中かどうかは不明です。向こうでは「検索する」イコール「Googleで検索する」だから、諧謔として強調する以外にわざわざ動詞化する必要がありましょうか。

日本語では
Google→グーグル→ググる
と、変形が加えられるのでわかりやすいのですが、英語ではそうもいきません。

英語ではひとつの単語が名詞にも動詞にもなり、形容詞や副詞まで兼ねることがしばしばです。どれに該当するか、活用語尾や文脈から判断する必要があります。
反面、日本でごくふつうに使われる「英語のスペル」のspellは、「つづる」という意味の動詞ではあっても、名詞としては別の意味を持つので、「つづり」の名詞形はspellingだ、とかなんとか、しち面倒なケースもあります。

質問掲示板で、私が使ったムツカシイ単語に対して「それなに?」と、しょもねー問いを発したコがいました。
そんなの英語知らずのガイジンに尋ねる前に自分でぐぐれや。
だが、"Google."とひとこと書いてニュアンスが通じるだろうか、いや、無理だね。

せめて"Google it."としてみようか。略してGISだ。Sは何さ? KISSの2番目のSと同じにしとこう。

我が国の個人掲示板においては、「ぐぐれ」のみの無礼レスはてきめんヒンシュク買います。訪問者は管理人よりも偉い、が常識です。

こんにちは。ご訪問ありがとうございます。それはたいへんお困りでしょうね。実は私も詳しくは知りませんので、自信を持ってお答えできず申し訳ありません。Googleで検索なさってみてはいかがでしょうか。そしてgoogle.co.jpのURLを書き添える。以上が次善の回答。
慈善の回答は、代わりにぐぐってさしあげ、その結果をコピペではなく自ら書き連ねる。

面倒な長文はごめんこうむりたいとしても、礼儀正しさでは定評のある日本人の名誉を守るために、英語が苦手な人でも"How about googling?"程度にはスペルの手間をかけたほうがよろしいかと。
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投稿者:ルノ 19:58 | コメント(0) | トラバ(0) | 英語・英文・英会話
2007年10月28日

サンタクロースがいる

サンタクロースの存在を信じる子供たちは日本にも大勢います。小学校低学年どころか、中学生になってもいると思い込んでいたと述懐する人々だって。

身も蓋もない言い方をすれば、子どもがサンタを信じたいのは、それが自分を益する(プレゼントをくれる)からかもしれません。子どもって計算高いでしょ。

サンタの存在に関する文といえば、19世紀末、サンタを信じる8歳の少女バージニアに宛てて書かれた、ニューヨーク・サン紙の社説が挙げられます。
その中ではサンタの存在がはっきり肯定されています。『サンタクロースは誰にも見えないけれど、それはサンタがいない証拠ではない』
このコラムはあまりに有名で、日本でも多くのかたがご存じのはずです。全文を読みたい人は検索すればあちこちに出てきます。

"Yes, Virginia, there is a Santa Claus" という書き出しなのですが、中身はいくぶん形而上的で難しいとか。読解力の乏しい私にはちょっと・・・。
それよりも注目したのは、Santa Clausに不定冠詞 a がつくこと。

定冠詞や不定冠詞の使い方は、日本人が非常に苦手とするところであります。
以前『A Happy New Year の A』というコラムを書いたことがありますが、自分でじゅうぶん理解していたわけでもなくてねえ。

サンタクロースという名は子どもの守護聖人セント・ニコラス(聖ニコラウス)から来ていると言われます。
もっとも現代のサンタクロースという存在は象徴的なものであり、大文字だけど固有名詞ではありません。クリスマスセールでサンタの扮装をした人もサンタクロースと呼ばれるし、ひとりひとりは a Santa Clausですね。

とはいえ、この場合、誰でも知ってるそのサンタさんのことなのだから無冠詞であってもよさそうなのに、と思うのは、やはり英語苦手の私くらいでしょうか。

きょうはまあまあ短文で済みました。メデタシメデタシ?

フェルトのミニサンタ

なのに、蛇足。
クリスマスとサンタクロースに関する雑学の詰まった『クリスマスおもしろ事典』は、クリスマスパーティの席で博識を披露したいかたや、西欧人のお友だちとクリスマスを過ごす予定のかたにおすすめですよ。

発行所が『日本キリスト教団出版局』と聞くと、宗教色が強いんじゃなかろうかと敬遠したくなりそうですが、中身は軽く奥深く充実しています。ありきたりの雑学本ではないとの自負は認めてよろしい。無宗教ならぬ反宗教派の私が楽しめたくらいです。
腹を抱えて笑うようなバカ話ではないけれど、文章のすみずみにソコハカとなくおかしいところがあって、もうどうしたものかと。
全部読み終えて、表紙絵をじっくり眺めると、ソコハカとなく2度おいしいのでありました。
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投稿者:ルノ 23:28 | コメント(0) | トラバ(0) | 英語・英文・英会話