2007年07月06日

鳩を憎み豆を作らぬ

辞書で「懲りる」を引くと『失敗などを悔いて、二度とすまいと思う』とあります。自責の念が含まれるのです。
「懲らしめる」は懲りさせること、つまり「懲りる」の使役形です。いくぶんなりとも暴力的なイメージがあります。自発的にではなく、強制的に『二度とやるまいと思わせる』ためには、断固とした手段も必要なのでしょう。
こりごり(懲り懲り)はひどく懲りたようす。重なっている分、強調の意味合いが窺えます。

カボチャとサツマイモが嫌い、見るのもいやだ。と言う人は、年配の男性に多いようです。食糧難の戦中戦後にそればっかり食べさせられてこりごりしたのが理由だと。
女性も同じ状況下で同じものを食べたはずなのに、嫌う人は少ないみたいですね。『芋蛸南京』と言うくらいだから、むしろ好きなんです。
理由としては、女性のほうが適応力が強い、女性は甘いものが好きな傾向がある、などでしょうか。
芋とかぼちゃのおかげで厳しい時代を生き延びたのだから、感謝の心があれば「大好き」になったって不思議はないのに、男ってわがままだなー。

強盗にバールで殴られ、バールで金庫をこじ開けられて財産を奪われたら、憎むべきは強盗ですよね。「罪を憎んで人を憎まず。防犯対策が甘かった自分にも非はある」と寛容な人だっているかもしれませんが。
しかし世の中には、対象がずれてるケースがままあります。すべてはバールが悪い、この世からバールをなくそうと飛躍してしまう人がいるのです(比喩ですよー)。

寝タバコで我が家を焼失した人は懲りて禁煙する気になるでしょうが、原因が放火でしかも犯人が逃げおおせたなら、何に怒りをぶつけたらいいのでしょう。人類から火を奪うべきだと口走れば、おつむの中身を疑われます。
天ぷら鍋が発火して妻子が焼け死んだからと、余生をなまものばかり食べて過ごしても供養にはなりません。

破産した人は悔やみます。おおむね責任は自分にあるけど、他人を恨む比率のほうがずっと高い。
破産に追い込まれた原因は「お金」です。お金が足りなかった、あるいはお金を粗末にしすぎたのです。
普通の人なら前よりももっとお金に執着し、増やそうと躍起になるでしょう。
もうおカネはごりごりだとばかりに、稼いだお金を次々と捨てていては、再チャレンジなどおぼつきません。エスカレートして、カネは諸悪の根源だ、他人が持つことも許さん、と干渉や妨害をするなら犯罪行為です。

株を買い占められて会社をのっとられたら、そうなるまで放置したおのれの無能を恥じるべきです。
志ある経営者ならば、しっかり勉強して買収防衛策やらなんやらを備えて新たな事業を起こすでしょう。
野望に燃える人は、しっかり勉強して買い占めのエキスパートとなり、他社の株を買い占めて事業拡大に乗り出すかもしれません。
それが「経験から学ぶ」ということです。株を憎むあまり、新聞の株式欄はいっさい見ない、証券会社に脅迫状を出すなんてのは本末転倒です。

では本題に入ります。

(以下略)





 
スポンサーリンク
投稿者:ルノ 20:39 | コメント(2) | トラバ(0) | 世相=世間相場?
2007年03月17日

雑木売買

昨日かかってきたセールス電話は、北海道の原生林に生える樺の木から取れるなんたらのサンプルをお送りします、というものでした。「なんたら」がなんなのか聞き逃しましたが、美容液か健康食品か、まあそんなところでしょう。

北海道の原野といえば、思い出すのは原野商法。二束三文の荒れ地を高値で売りつけるものです。
とっくに根絶したかと思いきや、かつての被害者をターゲットに、詐欺の上塗りをする連中が出てきたとか。売るに売れない土地を抱えて困っている被害者たちに、今度こそ値上がりしそうです、代理で売ってあげますなどと言葉巧みに手数料を騙し取るのです。
一度だまされた人はだまされ癖がついてるからころりと引っかかる・・・というのが業界の常識らしいです。そういう人々のリストは重宝され、二重三重いや十重二十重に勧誘網がかかります。

なんの教訓も得とらん、学習能力ゼロ、よっぽどカネがあり余ってんだろうな。と、二次被害、三次被害に遭った人を非難するのは確かに酷です。悪いのは詐欺師であります。
しかし被害者に全く落ち度がないかというと・・・はっきり言って人迷惑な方々です。詐欺商法というものは騙される人がいるから発展するのです。騙されることは詐欺を助長しているも同然だと認識していただきたい。

怒らないでくださいね。
そんな人々はきっと実生活では親切で面倒見が良く、回りから慕われていることでしょう。
詐欺も不正もぴしっと見抜き、決してバカを見ることのない人間ばかりがあふれていたら、それはそれで味気ない世の中に違いありません。

私とていざそういう状況に置かれたら、はたして詐欺師をバッチリ撃退できるだろうか。
無知や思い込み、勘違いなどにより思いもかけない言動をとるのが人間というものです。

恥を忍んで打ち明けますと、私も原野商法に引っかかった経験を持つのです。

私は働くことが嫌いで、いろんな会社を転々としました。けっこう波乱万丈な人生・・・のわりに世間知らず。

とある不動産会社に面接に行ったら、すぐに採用され、翌日から勤務の運びとなりました。

オフィスは明るく立地もよく、制服は可愛くて(でもミニ丈)、給料もまあまあ。大手不動産会社と紛らわしい社名だけど、創立者の名字がそうなのであって、別に関係はないんだとか(この時点で怪しいと思えよ)。
社長はえらく傲慢な態度の20代の若造で・・・と、今だからそう言えるけど、コムスメに過ぎなかったわたくしの目には、颯爽たる青年実業家と映りました。おまけに電話つきのすごい高級車を乗り回していたんですよね(ケータイなどない時代)。

入社日は簡単な研修などを受けました。2日目にはさっそく現地説明会。社長自ら運転するその高級車で、売り出し中の山林へ連れていかれました。いっしょに入社したもうひとりの女の子といっしょに。

現地というのが「原野」だったわけです。
このへんに原野があるのかって? 場所は覚えていないけど、街の中心部から車で数十分の距離です。やや田舎という程度。車が乗り入れられるところですからね。
起伏があっていちおう山の中で、ひょろんとした貧弱な木がほぼ等間隔に生えておりました。自生しているのではなく、人手で植えられた雰囲気。ところどころに杭が打ち込まれ、ロープで分割されていて、何箇所かに「売約済み」の立て札。
片隅に簡単なテントがあり、テーブルが置かれていました。

そのうち営業マンがぽつぽつと見込み客を連れてきて、社長が木々の間を案内しながら売り込みをするのです。一区画いくらだか知りませんが、200万前後でしょうか。これらの木々が成長して数年後には1本数十万で売れるという話。

客はほとんどが高齢の男性。
私たち営業事務員の業務は、それら見込み客にお茶やコーヒーを出すことでした。ほんと、あっけないくらい簡単な仕事。空いた時間は雑木林をうろついてきのこを探したり。
お客さんが「もう帰る」と言おうものなら、営業マンが「まあまあ、お茶でもお飲みになってから」と引き止めるのです。
「今度はコーヒー」「ほら、紅茶をお出しして」と指示されるままに次々と飲み物を出しました。お昼には用意してきた豪華幕の内弁当を勧めて、買う気になるまで長居をさせようとの魂胆。

その日だけで2、3件売れたようです。ひとりのおじいさんはすでに1区画買ったけどさらに買い増しに来たとのことで、下へも置かぬおもてなしでした。

私はその翌日辞めました。勤務したのは都合2日。
いかがわしいような気がしたのが理由だけど、どのようにいかがわしいのか、自分でもわかりませんでした。当事者というものは、意外にことの真相が見えていないのです。

数年後、『原野商法』というものがクローズアップされ、ああ、あれもその一種だったのかと合点がいったのです。
その会社は手を変え品を変え、似たようなことを続けているのでしょうか。

「引っかかった」などと被害者ヅラしてしまいましたが、私は加害者だったのです。
ピチピチギャルの脚線美に目がくらんでつい契約してしまったおじいさんはいなかったでしょうが、多少は良心が咎めました。その日成約がゼロだったら良かったのに。

でもですね、おツム弱くて世間知らずのコムスメをたぶらかして共犯者に仕立て上げるという点で、詐欺商法は二重に罪深いと思います。
老人たちにアタックしていた若い営業マンの中にも、あの雑木がいずれ高級木材になると信じ込んでいた人もいたでしょう。でなければ説得力も弱まったに違いないのですから。

こういった商法に利用される人々は大勢います。
テレホンアポインターと呼ばれる職業はおおむねそんなものでしょう。実際に商談を行い歩合給を得るのは海千山千の営業マンだから、予約を取るだけのテレホンレディたちは、詳細を知らされていないし、罪悪感もないのです。
いまだ不況真っ盛りが実感の世、パートや派遣は差別され、夫は慰謝料も養育費もバックレるし、生活保護は厳しい条件をクリアしなければならず、生きていくためにはあれこれ選んでいられませんよね。
だまされる人々がいなければ、こんな仕事も成り立たず、求人もないはず(って、言い訳です。応募する人々も熟考すべき)。

ともあれ、小金持ちの皆さま。
世の中に楽して儲かる話なんて絶対にありません。儲け話を安易に信じ込むことは、あなた自身が財産を失うだけにとどまらないのです。詐欺師をはびこらせ、知らずに加担させられる人やほかの被害者を増やすことにつながるのです。
と、詮無き警告を再び発して終わりにします。
スポンサーリンク
投稿者:ルノ 20:57 | コメント(3) | トラバ(0) | 世相=世間相場?
2007年02月18日

Want you

電車の改札口で乗降調査アンケート葉書を配られました。電車の利用状況などを記入して投函すると、抽選で500円のクオカードが当たるとか。

何気なく葉書の宛先を眺めたら、宛名の最後に貼られた「行」のシールに目がとまりました。大きさは2文字分くらい。地の色よりも濃いめなので、透かしても定かでないのですが、「中」という字が見てとれました。
ああ、「御中」ね。
行

その鉄道会社はかつて従業員の態度が横柄極まりなく、非常に評判が悪かったのです。昨今は飲酒運転バスを走らせたり、事故が多発して乗客が怪我をすることもしばしばで、「走る凶器」などと呼ばれております。
住民たちとて乗らずに済めばいいのだけど、この辺の電車とバスをほぼ独占的に運営しているのでそうもいかないのです。
競争原理が働かないと企業も行政も腐敗してきます。

あれこれ批判を浴びて少しは反省しているかと思いきや、旧態依然の傲慢さが根付いていることが、このアンケート葉書にも露見していたわけです。

ちゃんと気づいてシールで隠したのは評価できましょう。かえって目立つけど。
ハガキを作った担当者(営業課社員?)は、上司に叱責されて急遽シールを印刷し、アルバイトの女の子に「今日中に貼ってしまえよ」とか命令して作業を急がせたんだろう。などと想像してしまいます。
スポンサーリンク
投稿者:ルノ 21:39 | コメント(4) | トラバ(0) | 世相=世間相場?